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重慶公演6

なんとなくのんびりした町並み。

バイオリンや二胡が並ぶショップ。豊富な楽器類はなんとなくほっとさせてくれる。

「会場になければここで調達すればいいね」。みなポジティブだ。

「実験劇場」。何かされそうな名前だが、そんな名前の大学のホールは立派でオケピも付いているしっかりとした会場であった。

すでに千夏とSAKAIは仕込みに入っている。

急増コンビの割には息が合っていていい感じだ。「状況はどんな感じ?」ときくと後30分ほどでRHができるという。

とりあえずここは任せて合間をぬって街中を見る。二胡の教室だろうか?いいメロディが流れてくる。

ふと、歴史の世界に迷い込む。ここは四川省の省都。劉備玄徳の街だ。お茶でも飲んでいきたいね。

そうはいかずすぐに会場に戻りサウンドチェック。

四川省の文化担当の巌さんが窓口。この方、日本語もうまく考え方も新しく、僕らのやろうとしていること、必要としているものを理解してくれた。

この会場の手配やらなんやらを仕切ってくれた方、ということで感謝である。

この会場を抑えるために重慶の李剛さんは何度もここまで来てくれたという。本当に頭の下がる話だ。

その結果が今日でるのだ。何としても頑張らなければ。

会場のステージ自体の音場はあまり良くないがモニターが壊れていたこと以外問題はない。

モニターも、もしかしたらうちのSAKAIが壊したんじゃないか?なんて思っていたのであえてそれ以上触れなかった。

17:10一度ホテルに戻る。17:30到着。出発が18:30なのでちょうど一時間くらいあるぞ!と思ってダッシュで足裏マッサージに行く。

ほんとダッシュ。

1時間100元というのでちょっと高いがまあ、外のマッサージに行くほど時間もないのでとりあえずそこに入る。

今すぐできるか?ときいたらできる。というので3名でお願い。

超熱いお湯の入った桶に足をつけて待つこと5分。

なかなか人が来ない。

結局10分たってもこないのですっかり気持ち良くなった足湯をやめて、帰ることにした。

「時間がないのでまたね」。

せっかちな日本人だとおもっただろうなぁ。

でも、足湯が気持ちよくでよかった。タダだったしね。

その分時間もできたのでゆっくりと準備をする。

この時間帯、疲れもあって眠いのだが寝てしまうとだらだらになるので早めにロビーへ。合間に換金。レート1万円で731元。かなりいいね。

18:20ホテルを出発して18:40会場着。

すでに人は入り始めている。そこで巌さんに呼ばれる。

何か学校からお礼を言われるのかな?とおもったらその反対。

結構険悪な雰囲気になっている。

どうしたかと聞いてみると「学長は学生と日本人の音楽交流を楽しみにしていた。しかし、学生はカラオケで歌うという。全員カラオケだと困る。」確かに。

でも、それは先ほどのミーティングでそれでいいとなったよね。

「でも、曲を知らないので演奏は難しいですよ」

「知らなくてもいいのでやってくれませんか」

曲を知らなくてどう演奏するのよ、と思いつつ。

ただ、相手の言っていることには一理ある。

僕らも一緒に何かしたいことには変わりない。

そして、ここで中止とかにされてしまっては元も子もない。

そこでこちらからの妥協案で一曲だけやらせてもらう形でよいか?と相談。

実は歌い手の中の一曲「月亮代表我的心」は以前GYPSY QUEENで演奏をしたことがある曲。

今回も構成は違うがネンドさん向けに仕込んでいた曲でもある。

これなら今からでもアレンジ可能かもしれないと思ったのだ。

しかし。しかしだ。もうあと10分もすればステージが始まる。これから初めて合わせる、しかも音楽学校とはいえ学生ときちんと合わせることができるのか?

楽屋に戻り次第「はい、GQ集合!」ということで4人で緊急会議。

会議も何もとにかくやるしかない。ということですぐに歌い手の子を呼び説明する。

構成を覚えることは難しいので、全て脇からQだしをすることで話がついた。

すでにAlcicoの演奏が始まっている中、地下の楽屋で急造のセッションが始まる。

まあ、ステージ上で曲を変えることは幾度もあるが、本番10分前に新たな出演者のバックをやるのは初めてだった。

それにしても特にこういった追い込まれたときに感じるのだがGYPSYQUEENは強い。

この件についても「どうして」とかきいても仕方がないことを一切言わない。

そして「できるかなぁ」というようないっても状況が変わるわけでもない泣き言を一切言わない。

そうなったらそれでベストを尽くす以外の労力を使わない。

そういった意味においてまさにアジアで戦っていけるバンドであると自負できる面である。

無理を無理というのは誰にでもできる。
僕らは最後の最後までこの言葉を使わないバンドだ。

もうこうなると遠慮はゼロ。

その子は中国語オンリーの子だったのでいつもやるようにこちらで全部決めて“こうやって”と進行する。

最初は緊張気味(だよねぇ)だったし、曲を僕ら的にロックアレンジしているので、最初は歌えないとかいっていたけれど、「大丈夫、大丈夫」となだめてやってみると結構うまくはまったりしてほっとした。

何よりもその子本人が異常に喜んでいて、ああ、この子こんな笑顔をするんだ、と思うくらい打ち解けてくれた。

よかったな。

こういうことでもなければ距離は変わらぬままだった。

学長さんありがとう。これも流れ、全ては縁だ。

とにかくやってしまおう。できないことはあまりないはずだ。

ということで急造RHを終えたタイミングでAlcicoが帰ってきた。

おつかれさま!みんな二日目にしてリラックスした笑顔になってきたな。

次は僕等の出番だ。ステージ袖に進む。

司会の王さんの呼び込みで出ていくと熱狂的な歓声に迎えられた。

四川の人々は熱い。それはステージ最後まで続くことになる。ここでも重慶ブルースについて語る。

きっとこれからもそうだろう。全国どこに行ってもこの歌のことを伝え、ゴジラさんを伝え、日本を伝える。

その時ばかりは黄色い声はない。

聞き入って手拍子をされると昨日のことを思い出した。

後半は昨日同様ロックナンバーで飛ばしていく。

お客さんが求めているものを感じる。

昨日は不覚にもベースのワイヤレスが外れそうになって、演奏中にばたついたが今日はばっちりテープでガード。

オケピの端を小走りで渡りながら弾くmachaを心配しつつステージを盛りあげる。

それにしてもお客さんはいい顔をしている。

みんな、音楽を全身で楽しんでいるね。もう、日本との境目はないに等しい。

GYPSY QUEENを終えるとさっきの子が登場。やはり緊張気味だ。

ここは勝負どころだ。とにかく盛り上げよう。

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