
1月31日7:00am起床。ねむい。 それでも8:30には集合しなければ!ぎりぎりに朝食をとりに行く。 いまいち食欲がないのは疲れているからか。まずいね。 体力がないって事は結局自分の鍛え方が足りなかったんだよな〜。とおもう。 朝食をほとんど食べずに部屋に戻り用意をしていると電話がなった。 黄さんからだ。「今日は集合時間を11:30に変更しました」!!やった!こういう変更ならいつでもOK! 同室のすぎやんにつたえると。「さすがですね!(何が?)」。そしてそのままベッドへ。 めざましを11:00amにセットして就寝。うれしー。。。。。。。。 そして、今日2度目の朝を迎える。この2時間は貴重だった。元気が出てきた。 お腹もすいてきた。まどの外は晴れている。「こりゃ、暑いな」日差しだけで充分わかる南国の日差し。 成功の予感。 成田で見た虹はここで効果を見せてきた。結局ロビーに集合して出発したのが12:00。 他の出演者もたっぷり寝ました、という顔をしている。 会場につくと早速昼食。もうペコペコだ。でも、出てきたのはいつもの弁当。うむ、ちょっとたりん。 売店にカップラーメンを買いに行こうとすると、すでに潤坊がカップラーメンを持って戻ってくるところだった。 すばやいねぇ。そうこうしているうちにリハーサルが始まる。 昨日のゲネプロの変更点が次々にわかる。会場のタイトルロゴも変更されていた。 これじゃ、昨日の映像はつかえないじゃん。 でも、何とかするのかな?ま、これはボクが気にする事ではない。 衣装に着替えて準備をした。今日のメイクはリハの後に行うことになった。 そのほうがよい。丸一日化粧をしたまますごすのはちょっと嫌だった。リハはあっという間に終わった。 昨日の突撃クレーンは今日はおとなしくなっていた。きっと、昨日の反省会ででたのだろう、メンバーは一安心。 リハが終わるとメイクルームに向かった。 とはいっても会場から20分ほどの場所。 この道のりを何ども往復してきた僕等、この円明新園はとてもきれいな庭園であり、リゾートさながら環境は申し分ない。 一月だと言うのに木々から漏れる日差しが心地よい。 「今さ、こうして毎日ここにいるけれど、もう2度とくることないんだろうな」 「いや、結構また来ちゃったりするんだよね」 「働いていたりしてね」 爆笑。先のことはわからないがこういう事を言っていると必ずそうなることがある。 今はわからないが、それは今後のお楽しみにしよう。 厳重な鉄の柵の階段を上り5階のメイクルームに向かう。 今日は「普通」の楽屋のようにあわただしくも活気があった。次々にメイクは完了。 僕は「日本的活火山」と黄さんにいわれるようなヘアスタイルになった。 黄さんには大ウケ。でも、ちょっとやりすぎたかなー? メイク後、待機していると会場に呼ばれる。 エンディングのリハを行うという。「エンディング?昨日リハったじゃない?」 良くわからなかったが、会場へと向かう。 しかし、なんと僕らが会場に戻ったときには終わっていた?なんでなのよ?まあ、そんなにたいしたことではなかったのかな? と安易に考えとりあえずスタンバイする。 しばらくするとまた変更があった。 「明日の天気予報で、午後は雨が降るということです。なので、明日のプログラムも今日収録することになりました。 先に明日のプログラムをやってから歌曲の方に入りますから、スタートは20:00くらいです」 何?だって、明日のチケット売っているんじゃない?いいんですか? あー気にしない、気にしない。 僕らが気にすることではないのだ。 お節介はやめよう。 そうして、昨日と同様ライトアップされいよいよ開幕だ。 3000人は入りそうなスタジアムは熱気に溢れている。応援合戦も凄い。なんだか圧倒される。 制服を着た集団が一糸乱れぬ掛け声で盛りあがっている。 す、すごいぞ。皆でつくるボルテージというのだろうか?ざわつく会場に鳥肌が立つ。緊張ではなく感動だ。 ほんとすごいんだよ。この雰囲気。 そして、ショウは始まった。昨日よりも更に強い光量。まばゆいばかりのドレスアップされたダンサーたち。 踊りのクオリティも高い。音割れしても気にせず流れる音楽。やんや!やんや!の拍手と掛け声をおくるメンバー。 僕もエリッククラプトンのコンサート以来の「黄色い声」を投げかける。 自分たちの出番はまだ先。 歌い手は一同に集められて中国のボイストレーナーの先生と発声の練習を行い始める。 その他バックステージではスナップ写真の撮影会場となる。 5日間共に過ごした異国人は今では「中国語を話す」人たちとして仲間となった。 世界の国々の人たちと再会を約束して時を過ごす。僕らは明日の早朝にはここから移動しなければならない。 あさってには打ち上げパーティが催されるがそれに参加できない僕らは今、この時間が大切なのだ。 8:00pm第一部が終わり、いよいよ本番だ。気合は充分。なんとなく、うまく行きそうなオーラがメンバーを包む。 しのんもかなり元気になってきている。 そういえば日本を出るときに気になっていたジンマシンはすっかり良くなったと言う。 中国が合う? ストレスがないからだろうか。現実の問題点はストレスではなく壁だ。 乗り越えれば解消されるからいい。 僕らの出番はあっという間にやってきた!行くぜぃ! 司会者に呼びこまれ駆け足でステージに向かう。 司会者の中国語と英語での僕らの紹介のあとイントロが流れる。 ん?ちがうぞ?なんと!前の出演者のエンディングの音がかぶって流れてきたのだ。 普段、あまりやバイと思わないぼくもこれはあせった。こりゃないよ!でも、しのんはうまく波に乗れた。 一瞬戸惑った表情を見せたが無事テイクオフ。よかった! あとは今まで見せたことのないオーバーアクションの連続であっという間にステージが終わる。 僕らの曲はNEVERを中国語にしたもの。もともとこの歌は日本と中国を歌にしたもの。 昨年、僕らの初めての中国行きが決まってから出来た曲であり、本当の友好を自分達で行いたい、と思い作られている。 だから、この舞台で演奏するには最も適している曲だった。 問題だった間奏部分の中国語も本番でぴったりできた。 この5日間。ずっと悩まされていた中国語のトークだが、完璧にできた。 やってしまえば簡単なものかもしれないが、それをやること自体がなかなかありえないし、 確実に話せる人でもステージ上でどこまで話せるかはわからない。 もちろん、「もっと感情を込めて」という今後の課題は残った。 しかし、この時点でできる力、持ちうる力は最大限に発揮できたと思う。 「もうこれ以上できません」そう笑って言えるほど出しきれただろう。 バックステージに戻ると出演者たちの賞賛の声に迎えられた。 黄さんも「しのんうまく言えましたね!」と喜んでくれている。 会場で見守ってくれている富昭さんもきっと喜んでくれているに違いない。 興奮冷めないうちにエンディングとなった。全員で舞台へと思うと、表彰式が間に入っていた。 そうか、これは賞がもらえる大会なのだ。 この番組は中国全地域の放送局での予選を勝ち抜き本選に出場した人たちで構成される。 その決勝大会の意味合いもある。 夕方のリハーサルとはこのことだったのだ。 僕らだけ流れをつかんでいない。 スタッフに誘導されるままにスタンバイをする。 特別賞、優秀賞、銅賞、銀賞、金賞。発表は進む。僕らの名前はなかった。 残念だ。 力がないのか。精一杯やったつもりだが漏れてしまった。 少し落ち込むメンバー。言葉は少ない。 フィナーレの時間になり全員がステージへ。きらびやかなショウの幕は閉じる。みんな感極まっている。 その中に納得できない日本人グループ。ま、しかたないよね。 なんとなくステージ袖にみんな集まっていた。 そこに怒鳴っているスタッフがやってくる。 「何で舞台に出なかったんだ!」 「ん?」 そう、僕らは優秀賞を受賞したのだ。 優秀賞の発表の時に僕らの名前を呼んだらしい。 でも、気がつかなかった。 呼びにこないスタッフのせいにする前に自分たちの名前すら認識できない自分の頭の悪さをうらんだ。 せっかくの受賞だったのに。 残念な気持ちになる。もう少し中国語がわかれば。。。 それにしても受賞者が出てこないのにOKしちゃうって。いいのかな。 と自分を棚に上げたりしていた。 でも、もらった賞にはかわりない。ま、いいさ。 そこへディレクターが飛んでくる。「授賞式をやりなおすよ」。すでに観客はかえっている。 撮りなおしてあとから編集するという。僕らの受賞シーンの為に出演者みんなが残ってくれた。 申し訳ない「対不起(すみません)」。何度も何度もやりなおし、無事「受賞シーン」は収録できた。 その他にも修正点があったらしく、やりなおしの所もあったようだ。 ディレクターの沈欄さんは本当に申し訳なさそうに僕らに謝ってくれた。 いや、悪いのは僕らですよ。そう思った。 グラスの盾と目録が渡され、名前いりの賞状は後日収録テープとともに送ってくれるとの事。 手厚い対応が嬉しかった。 中国の人は最初はとっつきにくいかもしれない。それでも一緒に何かをしてみるとその良さがわかってくる。 それはどこの国でも自分の国でも同じ事なのだ。違うのは「自分の中の壁」のほかならない。 僕らも昨年この「良さ」を知り中国に傾倒してきたのだが、今回のスタッフにも同じ気持ちが沸いた。 プロデューサーの盧さんはとっても頭の切れる人だ。 副監督の人もなんだかすんごい勢いなんだけれど、実はとてもいい人で、バンドのセッティングでは 自らキーボードを運んでくれた 。沈欄さんはとても美しくメンバーもお気に入りだった。 録音をしてくれたエンジニアの金さんも気さくで毎日会うと何かしら言葉を交わした。 おまけにキーボード奏者という事もあり潤坊と意気投合して盛りあがっていた。 異文化に出会うと人はそれなりに緊張しストレスを感じると思う。 それが永遠なものか一時的なものかはわからない。 僕らにとって中国とはエキサイティングであるけれど決して「異文化」ではないような気がする。 ただ、慣れていないだけで、本質的には充分合っているのだ。 この5日間の過酷なスケジュールは確かに疲れた。 でも、それは疲れであって不満ではない。 もしくは不満を言うほどのことではないのかもしれない。 そう思える事が大事であり、その点については僕らは中国式が合っているバンドなのだ。 徐軍さん、富昭さん、黄さんの3人に支えられ無事珠海での全日程を終えることができた。 奇跡的とも言える番組出演を果たした。 よかった。 よし、明日からは上海だ。 また、がんばりまっせ! 打ち上げは続き僕は4:30amに脱落。 潤坊は北京テレビのスタッフと富昭さんの歌(めっちゃ上手い、さすが歌手!そう、富昭さんは中国の歌手なのだ) で5:30amまで、キーボードを弾きつづけた。 珠海最後の夜は名残惜しさよ。 |


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