I Wanna be born in china
2002/01/27-2002/02/03 珠海〜上海


11.打ち上げは楽し!


興奮したステージも終わったバックステージ。
りんちゃんをはじめ応援に来てくれた人との会話は盛りあがる。
客席にいたお客さんと目があっても好意的な目で見てくれる。
これが昨日まで全く知らなかった人と人だ。
花束を持ってきてくれた人は上海ではとても有名な実力者の人だという。
そんな人が見にきてくれたなんて!
そして、かなり気に入ってくれたようだ。
「今度は人集めなどいろいろ手伝ってあげるからまた、上海に来なさい」そういうその人は見覚えがあった。
そうだ!昼間立ち寄ったお茶やさんのオーナーでもあった人だ!(多分)
そのとき買い物をしていたのだが店員の女の子に僕らのポストカードをあげたのだ。
別にコンサートにきて欲しいからではない。
なんとなく友好の意味もあり、「上海はいいところだよね!」という気持ちでプレゼントしたのだ。
そうしたら、その子の回りに店の人が集まってきて「サインをして欲しい」とカードを持ってきた。
もちろん快くサインをした。こういうことで仲良くなれるなんて最高だ。
そう思っていた。たしかそのときに会話した人に似ていた。

うーん、出会いって!すんばらしい!!

そうこうしているうちにあっという間に時間もたちARKを出る時間になった。
スタッフにそして会場の人たちにお礼をしてARKをでる。「またくるよ!」皆にそういって別れる。
そう、また来たいよ!
朱さんが気を使ってくれてエントランスに張られていた僕らのポスターを記念にくれた。
なんだか嬉しい。公演をした!って実績だ。

名残惜しくもARKを後にし、タクシーに分乗して打ち上げ会場へ。
中国のタクシーも慣れたものだ。「請開発票(領収書ください)」はすぎやんも言えるようになってきた。
すでに1:00am。このツアー中は本当に一日3時間も寝ない日が多い。
それでも体力は充分。覚醒しているのだろうか?
打ち上げでは朱さん達の感想を聞かされる。とても勉強になることばかりだ。
このARKは単にライブハウスというよりも「上海の人にもっと音楽を知って欲しい」という願いも含まれている。
中国ではまだまだリハーサルスタジオが少ない。そうなると出演できるバンドも限られてくる。
バンドというものがまだまだ特殊なもの、非常にお金のかかるものだと言う。だからバンドの音楽を聞く体制もないのだ。
そのため、習慣も異なる。良いか悪いかは別としてライブ中にスタンディングで盛りあがる。
アーチストと同じフリマネを全員でして盛りあがる。コンサートの最後にはアンコールをする。
そういった事の定着がない中国で一つ一つ覚えていってもらいたい。そういう気持ちが含まれていた。
いわば音楽文化の発信地となりたい。朱さんはそう思っているのだろう。その主旨には賛同できた。

「いつでも協力します!また来ますよ!」
なんていって「そう?」なんてそっけなく言われたら怖いので言わなかったが、満足してもらえたのだと思う。
「また、上海に来て下さい」と言われてとても嬉しかった。
勝手に出演依頼と勘違い(本当?)そして、打ち上げは激しく盛りあがったのは言うまでもない。
もちろん、僕らには課題はたくさんある。それを理解した上で次のステップを意識し、活動していきたいのだ。
いろいろな人といろいろな話をした。有意義な時間だ。
しのんが一気をしていた。
すぎやんが朱さんに抱きついていた。
あっ、もう3:00amだ。
楽しい時間はあっという間に時が流れる。
そして、打ち上げは終わる。
まだ、終わりたくないのに。
それでも、明日がある、あまり引っ張っては申し訳ないと思い解散。
ARKの素晴らしいスタッフと別れメンバーはホテルへ。

でも、ホテルでは次の打ち上げが待っていた。
参加メンバーでの打ち上げ。もう3:30amを回ったホテル近くのレストラン。
入り口の女の子は寝ていた。そらそうか。
中国最後のショウロンポウを頼み、仕上げはチンタオビールで乾杯だ。
すぎやんは寝ている。珍しいね。みんなの感想を改めて聞く。
今回初参加だったまちゃはずっと何も言わずに頑張ってきた。
「まちゃどうだった?初めての中国は」。
「凄く新鮮でした。こうして中国は物事が動くのか、と思って。最初はかなりむかついたんですよ、
全然予定が見えないじゃないですか、でも、それでもみんな何も言わずに動いているから、
あー中国ではこうすればいいんだなー、ってついていった感じで。でも、本当に楽しかったし、
普通じゃありえない経験もできて良かったです、みんなに感謝しています」
そうか。ありがとう。

僕は何もしないのに、何もわからないのに主張をする人は嫌いだ。
僕自身そうかもしれないが最初は回りの状態やそこのしきたりや流れを観察する。
その中で自分にできる事やどうすれば良いかを考えた上で自分の意見を言うようにしている。

「初めての仕事は皆一年生」。尊敬する巨大企業の経営者の言葉だ。
まちゃはまさにそれを分かっている人格者だった。
ツアーを共にして初めて本当の仲間になったような気がした。

あっ、しのん、泣くなよ。でもみんな良くやりました。
良く頑張りました。良くぞ乗りきりました。
感謝です。心から感謝です。

気がつくとまたもや4:00am。
名残惜しい宴とはいえエンディングに向かうとしよう。
「ここは僕のゴチそうね。」「悪いですよ」「いや、いいよ、その代わり東京でおごって」。
みんな本当にお疲れだった。ホテルに戻り解散。
ぐっすり就寝!


早朝6:30起床。
飛行機の便の関係で7:00出発のチームを見送る。
寝不足と二日酔いでボロボロになって見送った後はまたもや夢の中。
最後の朝を2度楽しんだ気になる。
ゆっくりとした午前中を過ごし、いよいよ僕らも帰る時間になった。
「いやだー帰りたくないよ」「もう一泊できないですかねー」何やら半年前にも聞いた言葉が飛び交う。
それでも、時間は迫る。
錦江飯店から浦東空港へ向かう。
1週間前にきた道を戻っている。「リニアモーターカーできたかねー」さすがに無理だろう。
眠気もあるが、今日で最後の中国。しっかり目に焼き付けておこう。
そして、またくる時にはきっともっと発展している事だろう。1時間ほどで空港に到着。
あーついちゃった。だれか忘れ物をしていないか?
帰りも荷物検査でつかまりながらも無事出国手続きを終える。

そして、2:35pm僕らを乗せたJAL972便は飛び立つ。
「シャヤサンヘー(上海ありがとう)」
「ヘーウェ(さよなら)」北京語もままならない僕らの覚えた上海語は感謝の気持ち。
りんちゃんはお疲れだったね。
彼女もほとんどここ数日寝ていないはずだ。
そしてもうすぐ中国は新年快楽!
旧正月の賑わいとなり、そんな大晦日に僕らの出演した番組が放映される。

「この人たちARKで見た人じゃない?」
上海のお茶の間でこういう会話が交わされる日も近い。かな?

機内に乗り込みほっと一息つく。かなり疲れが出てきた。
眠い。
そうだ、ここ数日はナポレオン並みの睡眠時間だ。
日本に戻ればまた、忙しい毎日が始まる。少しでも休んでおこう。
飛び立ってまもなくすぎやんと珠海ビールで乾杯。
この味ともしばらくお別れだ。

帰りの席は行きよりも皆近くに座れて良かった。
通路をはさんで反対側の潤坊に「乾杯!」と大声で乾杯。
周りの人にちょっと迷惑そうな顔をされてしまいおとなしくなるメンバー。
機はあっという間に日本上空にたどりつき、前方のスクリーンにも見なれた地図が映し出される。
そして、16:45pm日本時間17:45pm。
大きく揺れに揺れて気持ち悪くなりながらも成田にタッチダウン。
帰って来た!
お疲れさん!




 
 
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