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Mekong Tour 2

2009/2/7

3:00。

予定より20分早くモーニングコール。

うらめしい。

結局masaoは徹夜のようだ。

眠い目をこすりながら荷物をまとめて3:40にロビーへ。

ここでメールチェック。

まさにバンドマンにとっては殺人的な時間だ。

まあ、前の日であればありえる時間だけれどね。

メールでは今回のいろいろ不確定要素がある部分を確認する。

ここにきて初めての情報だってある。

さらにこの朝早い時間に限ってPCの調子が悪く、いらだちながらも作業終了。

ホテル入り口にバンを待たせておいたのですぐに乗り込み4:10。

空港へ向かう。

 

昨日の読売新聞を入手したいところだがどこで売っているかわからず断念。

一面に出ているというので興味津々である。

まだ、夜中から抜け切っていないこの時間。

道はすいているが何故か方向がおかしいような気がした。

しばらく外を注意深く見ているとどう見てもドンムアンには向かっていない。

ドライバーに確認すると本人の勘違いでスワナプームに向かっているということだった。

急遽方向を変えてドンムアンへ。

危ないところだ、このまま空港について間違いに気づいたら到底間に合わなかったろう。

読売新聞衛星版2/6付

読売新聞衛星版2/6付

いちいち疑うことは必要ないが伝えたからといって100%安心することは禁物だ。

なぜかって?

それはいくら謝って貰っても傷を負うのは僕らだからだ。

今必要なのはボンミスで謝られることよりもスムーズに自分たちの敷いたレールを忠実に進むことだ。

5:00ドンムアン空港に到着。

行きと同じく1200Bを渡し空港内へ。

チェックインカウンターに進む。

ここでの機材も問題なく通過し出発ロビーへ。

バーガーキングで199Bの朝食。

 

今日はかなりの強行軍である。

このままウボンラチャータニに向かいそこでラオス側からの迎えと合流。

その後国境を越えてチャンパサックに入る。

そこからワットプーに向かいリハーサル、そして本番。

とまるでタッチアンドゴーのような怒涛のスケジュールが始まる。

その割りにはこの寝不足、早朝スタートはきつい。

予想以上に大容量のバーガーキングのポテトをみんなに配りつつ目を覚ます。

搭乗も近づき5:50。

機内へ。

国内線はことさら狭い。

ここでちょっとでも寝ておこう。

幸い機内食は期待できない、なので空港で食べておいたんだけれどね。

 

6:00。

真っ暗な空港から飛び立ちしばらくすると夜が白み始めた。

ようやく7日が始まる。

陽が昇り始め機内も明るくなった。

メンバーはみな熟睡。

僕も少し寝よう。

そうおもっていると機体は大きくゆれ降下をはじめる。

距離にして500km弱。

あっという間のフライトだ。

そして7:05。

僕らはあの「ウボン」に戻ってきた。

今思い出しても胃がキリキリする。

ドラマのエンディングのようなハッピーエンドもそこに行き着くまでの心労は只者ではない。

そして、今回は早朝。

同じ空港に降り立つのだ。

ウボンは静かな田舎の町といった様相だ。

迎えにきてくれたのは昨年も仕切ってくれた遺跡保護のブンラップ長官と情報文化省の役人のモンティアン。

わざわざ国境を越えて迎えにきてくれた。

さっそく、車二台に分乗し7:30、ラオスを目指す。

 

あっという間に市内を通過し、爆走するバン。

「なんだか全然複雑じゃないじゃん」みんなそろってそんな話をする。

去年はギリギリのところで迷ったりして本当に複雑に思えたウボンの町もほんの20分くらいで抜けたからだ。

右手に大きな湖を見る頃には皆熟睡。僕も眠い。

でも、寝てしまうと何があるかわからないのでとりあえず見張り役として起きておくことにする。

そんな心配のかいも無く約90分で国境へ。

8:55、ここで一度車を降りて出国だ。

イミグレ

イミグレ

周りには出国を待つ人々が黒山の人だかりになっている。

その中をブンラップさんはつっきり(男らしい)どんどん進む。

かろうじて僕はついていったが後続がこない。

ゲートを越えてしばらく歩くと今度はラオスのイミグレだ。

ここでパスポートを再提示。

入国となる。

入国での費用50Bを要求され、ムムッとおもうのだが金額にして100円。

まあ、いいじゃないか。

大量のパスポートが無造作に置かれどんどん処理されていく、僕らのパスポートは一気に割り込ませてもらって最優先にしてもらう。

ここで時間を使うことは許されない。

一刻でも早く会場に向かわなければだ。

9:36。

イミグレを出発。

 

バンは飛ばしてパクセーに、と思っていたらメコン橋の手前で右折。

「どうした?」と聞くと、「現在ここに道路を作っている、こちらから行くと早いのさ」とあっさり。

でも行っていいものなのだろうか?

その道は過酷でまるでジェットコースターに乗っているがごとくのアップダウンの悪路である。

ガタンガタンどころではない。

そして爆走。

荷台に積まれた楽器が気になる。

そして、なし崩し的に僕らは道なき道を走る。

きっとこの次に来るときにはこの道は完全に舗装され、通過なんてあっという間だろう。

伐採道路とMekong river

伐採道路とMekong river

この今を知ることは貴重だ。

これによりタイからの大勢の観光客をワットプーに誘致できる、きっとにぎやかになるんだろうね。

経済効果は計り知れない。

渡しボートも不要になるだろうなぁ。

さびしいなぁ。

そんな時代の変わり目に立ち会えたことはすばらしい。

でも、この道は辛い。

そんな車内。

たいした話も出来ないが、黙っているのもなんなのでモンティアンといろいろ話す。

「円が高くなると世界経済はますます厳しくなるね」、「旅行に来る日本人にとってはプラスだよね。」この目前の風景度外視の会話は進む。

 

ようやく道なき道に道らしきものがでてきた。

ポツンポツンと民家も見えてきた。

メコンの川岸が見えるようになり、ようやくこの道も終わりかと思ったとたんにすっと平らな道路がでてきた。

といっても赤土の舗装されていない道路には変りない。

「あっ」。

全員が声を上げた。

その終着点はパクセーから渡しボートに乗ってチャンパサックに入った入り口のところだった。

「そうか、ここが開通するのか」。なんとなく感慨にふける。

若干の車酔いを感じつつそこから数分。

ホテルに到着した。

今回、どこに宿泊するのかはわからなかったが去年と同じ、この街唯一のホテルである。

荷台から荷物を下ろすと黒のリモワが薄茶色に変わっていた。

埃というか砂ね。

まあ、いい。

そのまま部屋に放り込みとりあえずベッドに横たわる。

 

暑さも気にならないくらいにまずは疲れた体を休めたい。

3時に起きてもうお昼。

長い行程だった。

12:20。

少しおくれてチャンパサックのパンカワイ町長と会食。

久しぶりのラオス料理。

おいしそうなスープだったが、よく見るとアリのスープ。

「タンパクがとれていいよ」と進められるが別に栄養不足でもないのでパス。

Masaoはおいしい,おいしいと食べている。

食については超保守的な自分なのでこの時は少しおとなしくしていることに。

ビアラオで乾杯して今日のスケジュールを確認。

早く会場に行きたいが15時に出発ということで部屋に戻る。

変更は日常

変更は日常

昨年も機材については課題があった。

今回も現地サイドが準備している、という情報のほかには何もない。

入手しようがないのだから、確認することも当然不可能だ。

だからこそ現地についた以上一刻も早く行きたいのだ。

とりあえず出発まで体力を蓄える。

16:00。

結局大きく遅れて会場に。

夕陽がきれいだ。

一年ぶりのWat Phu。

この広大なエリアに展開するクメールの遺跡。

誰が作ったのだろう。

この大きな神殿では何が行われていたのだろうか?

知るすべもないがこの歴史的な遺産を目の前にすると何か神聖な気持ちになる。

 

バスは昨年の会場のメインの来賓席のあるところに停車。

さっそく会場を見てみる。

ステージは去年の1/3程度。

うむ、微妙だ。

遠くに見えるステージの一段高いところにキーボードとドラムセットが見える。

よかった。

今年はちゃんと用意してくれた。

それもあたりまえだ。

昨年同じ事でもめたのだからさすがに大丈夫だろう。

ドラムセットをみて安心したせいかのんびりその場を過ごす。

Machaがステージをチェックしに行く。

ギターアンプとベースアンプがまだ届いていなかった。

「はやくサウンドチェックしないとRHできないよね」そんな話をしつつ1時間がたつ。

Main Stage

Main Stage

おかしい。

会場のスタッフから「RHはいつやるのかと催促される」そして、そのときアンプが無いことを知った。

ドラムセットがあってギターアンプがないとは思っていない僕ら。

昨年の豪華なステージを見た上で先入観でここにきた僕ら、それは大きなミスだった。

「アンプがないとできない、昨年はあったでしょう、何が必要かわかるでしょう」そう問うと困った表情のスタッフ。

東京からの資料は届いていない。

何とかこのままで出来ないか、と聞かれるので「出来ない」、とはっきり言う。

その後いろいろ確認してもらうがここにはアンプがないということだった。

 

主催者はなんとかやってくれという。

クオリティの下がることはしたくない。

でもお客さんを裏切ることは出来ない。

話し合った結果アコースティックでやることになった。

時間も短くして何とか面白いことをと精を尽くす。

まあ、やればなんとかなるしね。

そしてホテルへ。

若干落ち込みぎみなメンバー。

それはそうだ、日本を基準にしていい音を出そうと思ってもその設備がなければどうしようもない。

 

音なんかよくわからない、という人がすべてならまだしもなかにはちゃんと音楽が分かる人がいるだろう。

そういう人からすると何をしょぼい音を出しているんだ、と思われかねない。

演出や技巧はそれぞれの国に合ったものにしよう。

それでも僕らの演奏のクオリティは東京のものそのものでなければ意味がない。

BGM目的のローカルバンドとは違うのでそのプレッシャーは少なくない。

ただ言えるのはこの環境でも最良のものを出さねばいけないということ。

大丈夫か?

その不安がメンバーを追い込む。

もうひとつの選択肢は簡単。

 

機材がないならできない。

と正論を言うこと。

でも、それはいやだ。

できない、やれない、難しい。

そんな言葉は誰も望んでいないし、お客さんに失礼だ。

やりたい気持ちと、やらなければいけない気持ちと、やりようもないという気持ち。

三つ巴の戦いはいろいろな代案を考えては消し、また考えての繰り返しになる。

他のステージにはないか?街の中にはないか?パクセーまで取りに行ったら何時になる?

そんな葛藤を僕らだけがしている。

主催者はただただ困ったままだ。

自分たちでやるしか答えは出ない。

 

なんとか、モニター環境を調整して、メインスピーカーからの音でモニターが取れるようにステージ最前列にスタンバイしてという作業。

とにかくドラムのmasaoにはまったく音が聞こえないのだからある意味よくやれるものだ。

まあ、これもいい訓練だとおもうしかないよね。

一度ホテルに戻り本番の準備に。

食事も軽くし再び会場に向かう。

Wat Phuへの道はもう大渋滞となっている。

 

バンを降りると埃で遠くが曇っている。

さっきからshinonが結構せきをしている。

のどにも悪い環境だ。

それでもステージの時間はやってくる。

なにやらキーボードの人が一人ステージに出て行きいきなり演奏を始めた。

MCの人ががなりたてる「ニープン、ニープン」というところだけはよくわかる。

そうするとがらんとしていた会場に人があつまりはじめる。

うむ、面白いものだ。

そして、本番。

鉄はしごの上ってステージに立つ姿はちょっとかっこ悪い。

まわりには出番を控えたラオダンサーたちが奇異な目で僕らを見ている。

サバイディ、と声を掛けると急にみんな笑顔でよってくる。

WatPhuFestival

Wat Phu Festival

さあ、盛り上げましょう!とステージに上がるとぼこぼこの床。

これはちょっと危険だな。

はまったら絶対に落ちてしまうぞ。

まあ、アコースティックなのでイスを用意してもらってスタート。

そのころにはかなり多くの人が集まっていた。

昨年と比べるとそれでも半分以下だろう。

後で聞いたが今日のお客さんは1000人程度だったそうだ。

どうやって数えたのだろう?

まあ、会場全体には数万人いるわけだからそんなものなのか?

今回はラオス語と僕らのオリジナルの中で比較的静かなものを選んだ。

明日はROCK DAYねともいいたげなセットリスト。

盛り上がるか不安もあったがDan Hang it sa laの時には大勢のお客さんの歌う声がステージにまで伝わってきた。

初参加のmabikaはしかもアコースティックは初めてのようで緊張している。

騒ぎどころを探している感じ

騒ぎどころを探している感じ

今日は満月の二日前。

綺麗な月明かりとステージのぎらぎらの照明の対比がおかしい。

そうして無事にステージは終わった。

終了後貴賓席に行くとパンサワイさんが出迎えてくれた。

昨年はシートン大使が座っていた席だ。

 

初めてみる関係者の人たちと写真を撮る。

みんな喜んでくれていてよかった。

僕ら的にはもちろん大反省ではあるが、初日はまあこんなものでもよしとしよう。

するしかないんだから。

ホテルにもどり打ち上げ。

明日のこともあるので入念な打ち合わせをする。

いろいろな状況を想定してセットリストを作る。

今日の観客のイメージがあるので、非常に想定しやすい。

23:30終了。

今日は長い一日だった。

24:30就寝。

 

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